ヒカリゴケ 【光苔】 蘚綱ヒカリゴケ目ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属 学名:Schistostega pennata

北半球に分布し、日本では北海道と本州の中部地方以北に、日本国外ではロシア極東部やヨーロッパ北部、北アメリカなどの冷涼な地域に広く分布する1科1属1種の、原始的かつ貴重なコケ植物。
日本の自生地にはマッカウス洞窟(北海道目梨郡羅臼町)、長野県佐久市や光前寺(長野県駒ヶ根市)、群馬県嬬恋村(浅間山溶岩樹型)、吉見百穴(埼玉県)、北の丸公園(東京都)などがある。本州中部であると標高1,700〜2,500mの亜高山帯の針葉樹林の洞穴や岩隙、倒木の根の影など、涼しくうす暗い湿った環境に生育する。
準絶滅危惧(NT)でもある。洞窟や岩陰、倒木の陰などの暗く湿った環境を好み、洞窟のような暗所においては金緑色(エメラルド色)に光る。
ヒカリゴケは自発光しているのではなく、原糸体にレンズ状細胞が暗所に入ってくる僅かな光を反射することによる。またレンズ状細胞には葉緑体が多量にあるため反射光は金緑色(エメラルド色)になる。
環境の変化に非常に弱く、付近の大気汚染や乾燥によって簡単に消失する。
生育地の多くは国立公園内にあり採取が規制されている。また、文化財保護法によって「学術上貴重で、日本を代表する自然を記念するもの」として天然記念物に指定されている。
 ヒカリゴケは自身が発光するのではなく、洞窟内のわずかな光に対して、レンズ状の細胞からなる原糸体という部分から、きみどり色の反射光を出すことによって淡く輝く。


2010/8/1 日光白根山 撮影:黒田豊(楢葉町)
ヒカリゴケ 【光苔】 蘚綱/ヒカリゴケ目ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属

back to top