クマガイソウ 【熊谷草】 ラン科アツモリソウ属 学名:Cypripedium japonicum Thunb.

 根茎は長く横走する多年草。茎は高さ30〜40cm、葉は扇形で2枚が対生状につき、長さ10〜20cm)の戦いに名を残す熊谷直実の母衣(ほろ)に見立てて、同属のアツモリソウ(平敦盛(あつもり)の母衣に見立てたもの)と対比させたもの。花はその間からのびた茎の先につき、横を向く。花弁は細い楕円形で緑色を帯び、唇弁は大きく膨らんだ袋状で、白く、紫褐色の模様がある。唇弁の口は左右から膨らんで狭まっている。花色がそれぞれ白、赤っぽいため源氏の白旗、平氏の赤旗に見立てたための命名ともいわれる。白花のアツモリソウを昔はクマガイソウと呼んでいたという説もある。
 山の森林内、特に竹林、杉林などに群生する。北海道南部から九州、朝鮮半島、中国に分布。  自生地の現状として、栽培のための乱獲によって自生を見ることは今やまれである。クマガイソウは無菌播種による増殖技術が確立されておらず、アツモリソウのように実生増殖した苗を大量供給することはできない。にもかかわらず、悪質なマニアや業者に乱獲、盗掘され続けている。このままなら絶滅するといっても過言ではない。


2011/5/18 福島市水原
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