シラン 【紫蘭】 ラン科シラン属 学名Bletilla striata Reichb. fil

 日本、台湾、中国に分布し草原など本州の中南部から四国・九州の日当たりの良い湿ったところにに自生している植物。また、広く栽培もされている。以前は自生地はかなりあったが、現在では絶滅の危険が増大し、危急種である。
野生のものは準絶滅危惧種。しかし栽培品として広く普及しており、種子が飛散して栽培逸出することもあるため、野生状態のものも本来の自生個体かどうか判別は難しい宿根草。
 花期は4月から5月。花は紫紅色で、30〜50cm程度の花茎の先に数個つく。花弁は細長く、あまり開ききらないような感じに咲く。  観賞用に、花の色が白色のもの、斑入りのもの、淡色花、花弁が唇弁化した「三蝶咲き」などがある。
 地下にある偽球茎は丸くて平らで、前年以前の古い偽球茎がいくつもつながっている。葉は、最も新しい偽球茎から根出状に3枚から5枚程度出て、幅の広い長楕円形で、薄いが堅く、表面にはたくさんの縦筋が並んでいる。
ラン科植物には珍しく、日向の畑土でも栽培可能なので、観賞用として庭に植えられる。極めて丈夫な植物、栽培しやすい。  種子はラン科としては異例に発芽しやすく、普通に鉢に播くだけで苗を得られる場合がある。偽球茎は白及(びゃくきゅう)と呼ばれ、漢方薬として止血や痛み止め、慢性胃炎に用いられる。  花色にも紫色のシランや白色のシロバナシラン、花の口辺だけが薄紅色の白花品のクチベニシランがある。


2013/6/19 1田村郡三春町下舞木
  左は紫色の花、右は花の色が白で葉は斑入りの種類
2001/5 双葉郡浪江町西台


シラン 【紫蘭】 ラン科


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