ツルボ 【蔓穂】 ユリ科ツルボ属(シラー属)  学名:Scolla scilloides

 北海道から南西諸島、朝鮮半島、中国、ウスリー地方などに分布し、山野の日当たりの良いところに生える多年生草本・球根植物。
 海岸の崖地に生育するほか、土手や田の畦などに普通にみられる。地下には2〜3cmの卵球形の鱗茎が有り、食べられる。
 葉は線形で長さ8〜9cm、幅4〜6cm。晩夏〜初秋の頃から高さ30cm程の花茎を出し、総状花序をつける。花は密につき、淡紅紫色で花被片は6個、雄蕊も6個。
 数本の細長い葉の間から花茎を伸ばし,穂のような総状花序をつけ淡い紫色の花をたくさんつける。花被片は 6 枚、雄しべも 6 本。
 和名の由来は不明であるが、別名:スルボ、サンダイガサ(参内傘)と言い、公卿が宮中に参内するときに従者が差しかけた傘をたたんだ形に似るためらしい。
鱗茎は飢饉のときに食料とし役立ったようで、水によくさらしたものを煮て食べたり、粉にして餅(ツルボ餅)を作ったそうである。


20081/9/11 楢葉町 撮影:黒田豊


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